内縁関係の解消について(1)【内縁関係って何?】
ずっと同居していたのに、一方的に別れを切り出された!
結婚していないが故に発生しやすいトラブルですが、長年の同居は「内縁関係」と認められる場合があります。
財産分与や慰謝料の請求などが可能かもしれないので、諦める前に一度確認してみましょう。
夫婦同様に暮らしていると、責任も発生します。
どうなれば内縁になる?内縁の条件
同居していれば何でも内縁になるというわけではなく、客観的に「夫婦同様」な状態を維持していると認めらる必要があります。
内縁と認められる要件
内縁と認められるには以下の要件を満たすことが必要となりますので確認しましょう。
- 当事者に婚姻の意思が認められる
婚約中である、認知した子どもが存在する、何らかの理由があって籍を入れていない、など - 共同生活をしている
同居している、家計を共にしている、住民票で同一世帯にしている、など
籍こそ入れていないけれど普通の夫婦と同様の生活を営んでいる、ということですね。
内縁と認められない場合
しかし、長年にわたって同棲していたとしても、以下に該当する場合は内縁とは認められない場合が多いです。
- 結婚する意思がないことを表明している
相手にでも第三者にでも「俺は結婚する気ないから〜」などと言っている場合。また他の人と結婚している場合は認められないどころか、不法行為なので注意しましょう。 - 同居はしているが、家計は別々にしている
いわゆる同棲カップルの多くがここに該当するかと思いますが、単に一緒に住んでるだけではダメです。お財布も一緒でないと難しいです。
内縁関係は法的義務が発生します
内縁関係は、婚姻届を提出した「法律婚」に準ずるものとして、法的な権利義務が発生します。以下が主なものです。
- 同居・協力・扶養義務
民法752条に「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」とありますが、これは内縁関係でも適用されます。 - 貞操義務
民法770条に準じ、内縁関係でも貞操義務があります。つまり不貞行為をすることは認められません。
離婚との違い:一方的に関係を解消できる
ひとつ気をつけなければならないのは、内縁関係は法律上の夫婦が離婚するのと違い、一方的に関係を解消できるのです。ですのでいくら「別れたくない」と言っても、法的には関係を維持する拘束力はありません。
しかし、正当な理由なく内縁を解消された場合は、相手に損害賠償を請求することができます。
内縁関係解消での損害賠償については、次回のコラムでご説明します。
内縁関係、事実婚でも、別れを切り出されたら損害賠償を請求できることは少なくありません。
茨城県で離婚の事案を多く解決してきた法律事務所DUONは内縁関係のご相談も数多くお受けしております。初回相談料は無料ですので、お気軽にご相談ください。