前科があると就職先に知られてしまう?
もう反省して二度とやらないと誓っていても、事実としては消すことができない、過去に起こした犯罪である「前科」。
再就職しても、新しい自分の就職先に知られてしまうものでしょうか?また申告しなければならないのでしょうか。
刑期が終わり心機一転、の場合も悩むものです。
前科とはなんだろう
前科については、私たちの「刑事事件専門サイト」でこのようなご説明があります。
(1)犯罪人名簿への記載
犯罪を犯し、一定の刑に処せられると、各市町村(東京都特別区の場合は区)が管理する犯罪人名簿に記載されます。これは、公職選挙法上、過去に一定の刑に処せられた人は、選挙権・被選挙権を有しないとされていることや、刑に処せられたことを欠格事由としている職業があることなどに対応したものであると言われています。
要するに、
- 選挙権を有する人の管理をするため
- 特定の職業の欠格の管理をするため
このようなことを目的に、市区町村では「犯罪人名簿」を作成・保管しています(もっとも、前科(前歴)については、複数の概念があると考えるのが一般的です。ここでは、お話しをわかりやすくするため、複数の概念の説明については割愛させていただきます)。
前科があって就けない(欠格)職業はもちろんある
一定の前科があると一定期間就けない(欠格)、または不利益を被ると思われる職業、業種には以下のようなものがあります。
- 弁護士、弁理士、教員
- 警備会社
- 金融会社
などが挙げられます。また、一定の前科があると絶対に就けない職業もあります。下記はその一部です。
- 警察
- 公安、治安に関わる公務員(自衛隊など)
- 検事、裁判官
保安や安全などに関わる職業などが多いです。犯罪を犯してしまったわけですから当然といえば当然のことですね。
勤め先に知られてしまう?
新しく就職した勤め先の企業に知られてしまうかという不安をお持ちの方は多いですが、あなたが過去に犯した犯罪の情報が企業に公開されることはありません。
しかし前述した「金融業」などの特定の業種や企業によっては、前科などの確認を求めてくる場合があります。その場合はきちんと申告しないと労使トラブルとなってしまいますので、正直に申告するようにしましょう。
その場でごまかしても後からバレてしまうと、解雇または損害賠償請求などのらさらに悪い状況をもたらしてしまうことにもつながってしまいます。
ネットで拡散すると消しようがない
事件が起きた地域では人々の記憶に残ってしまうのはもちろん、大きな事件でインターネットなどで話題になった場合は、半永久的に残ってしまうことになります。
仮に削除できたとしても次から次へと書き込まれるので、インターネットとの戦いは終わりがありません。まさに「いたちごっこ」の状態になってしまいます。
親戚に犯罪を犯した人がいたら?
親戚、特に親や兄弟が犯罪を犯した場合は本人には何ら落ち度はないので問題ありません。
ただし、例えばそれが多くの人が知るような重大な犯罪で、あなたの近親者が犯人であるということが最終的に判断に影響してしまうことはないとは言えません。
採用側は企業としての様々なリスクを鑑みて採用を決めていますので、止むをえない場合もあるようです。
(例えばあなたのお身内のことが重要な顧客に知られてしまうというリスクなどです)
犯罪は起こさない
就職して前科の申告義務がなかったとしても、起こした犯罪の事実がなくなるわけではありません。様々な形でたくさんの人に知られることになる可能性は十分にあるのです。
しかし、起訴されても不起訴になれば前科にはなりませんので(前歴にはなります)、今事件の問題に直面している方は「罰金や実刑などにならないための努力」も大変重要な要素であると考えます。
私たちは茨城県の多くの刑事事件の問題を解決してきましたので、事件の問題でお悩みの方は法律事務所DUONへお気軽にご連絡ください。初回相談料は無料ですのでご遠慮なくどうぞ。